ツインビー簡易分析

ゼビウスの亜流の中でも最もセンスよく練り上げられ、独自のパワーアップシステム、ボーナスシステムを盛り込み同社の看板ゲームとなった。中でも「ベルをお手玉のように扱う」というフィーチャーは、プレイヤーに単なるショットの連射をさせることなく、常に緩急を持って必要なショットをさせる、ということに成功している。

システム的に注視しておくべき項目を順に挙げていくと、まずゼビウスと大きく差別化されているのが地上弾の挙動であり、ゼビウスでは照準に向けて発射していたものが、射程距離内であれば敵を自動的に探知して攻撃することができるようになっている点だろう。

また、キャラクタの特性上から、地上弾が2連射まで可能となっている上に、腕側から被弾しても腕を失うだけで済み、残った腕のみで攻撃を継続することができることは評価に値する。両腕を失った際に1機に一度だけ救急車が出現し、治療を受けることができる点も評価したい。

それから各エリアの終盤に関門があり、ボスが出現するというのは本作がエポックとなる。この点に関してはゼビウスのエリアの70%を意識した作りからインスパイアされた可能性がないとは言い切れない。ボスキャラの存在自体はザクソンなどそれまでのゲームにおいても出現していたが、各面において出現を印象付けることに成功したのは本作となる。忘れてはならないのはボスのコアが見えるようになるまでに攻撃を加えても倒せない点で、これはグラディウスにも引き継がれる。

パワーアップフィーチャーに関しては1942の影響を多分に受けている節があるが、独自の「当たり判定のない分身(オプション)」を開発した点が歴史的なものとなる。ただし、ツインビーの場合は癖が強く、プレイヤーによってはうまく扱うことが難しかったが、単純に考えて攻撃力が4倍となるため、とても強力なフィーチャーであったことは疑いようもない。分身(オプション)に関しては、同社が3ヶ月後に発売するグラディウスでひとつの完成を見ることになる。

通常では分身(オプション)の出現ばかりに目が行ってしまうが、グラディウスでも伝統となる、特定の武器の併用が不可能であるのは本作が先に盛り込まれている点は気をつけたい。ツインビーでは「分身」と「バリア」の併用が不可能となっていた。しかし、画面上に分身とバリアの効能を持つベルを同時に出現させてから一気に取ることで同時に利用することができてしまった。これはプログラムの隙を突いたものであったが、バリアが大きすぎるために長期的に有利になるほどのメリットはなかった。

ボーナスフィーチャーについては、黄ベルの連続取得よる点数テーブルの増加は、プレイヤーの射幸心を見事に捉える配点であった他、敵の編隊を倒すことで1,000点からの追加ボーナスが加算される点が大きかった。そういう意味では大きな得点インフレを起こした最初の作品と言えるのかも知れない。