ゼビウス試作段階のキャラ

試作キャラは形が判別できるかが重要

昔の雑誌を調査していたら、ゼビウスの試作段階(第1稿)で作成されたキャラについての記述を見つけました。ログイン1983年5月号「The Making of XEVIOUS」です。

「試作段階では戦闘機なのかヘリコプターなのかが判別できれば良い」と書かれている通り、実際に利用されているドット絵もまだラフの状態で書かれたものが多く、発売された段階の細部まで描き込んだものと比べると雲泥の差があります。いくつかあるキャラの中でタルケンとカピのドット絵を起こしてみました。雑誌から白黒コピーした際に色が飛んでしまっているので、載っているものとは若干異なるかもしれませんが、ドットを数えて起こしなおしたので概ね合っていると思います。

テラジなんかも文中で「当初カウボーイハットのようなキャラとしたかった」と言われていたように、そのような形になっていますが、それより驚いたのがアンドアジェネシスです。なんと第1稿では円盤の形をしており記事にも遠山茂樹氏がクリンナップした絵が掲載されています。このアンドアジェネシス、記事によると「海辺に落ちているウニの抜け殻」をモチーフにデザインしたそうで、多くのゲームデザイナーが言う「ゲーム以外にも目を向けろ」の典型だと思いました。ただ、この円形アンドアジェネシス、「風月堂のゴーフルみたいだ」というある意味垂涎(?)の評価が下された結果、もっと立体感を強調した現在の形に描き直されたとか。しかし、ゼビウスが他のゲームとの差別化を図るために取り入れた「グラデーション」を生かすのであれば、この「立体的」というキーワードは必須だったのではないでしょうか。

この記事は試作段階のキャラ以外にも、ゼビウスの企画から基板のシェイプアップのことまでナムコ開発室の発言を交えて構成されているので、ゼビウスを語る上での資料的価値は高いかもしれません。