歴史を調べるということ

歴史に関わることを続けていると己の知識のなさにどうしても突き当たってしまう。ビデオゲームを軸にしているつもりでも、ビデオゲームの範囲の中で話が完結するわけではないので、遡ってエレメカやトラップ、ピンボール、バガテル・・・とその先までの知識が必要になってくる。それは多くのビデオゲームメーカがピンボールを盛んに作っていたことが関連し、その時のメーカ同士の関連を知らないと、どのようにしてお互いが触発されながら競い、育ってきたかが見えないからだ。

光線銃を使ったエレメカを調べていくと1920年代までに遡る。現存するエレメカで有名なのは1936年にシーバーグ社の作成したRay O' Lite Rifleであるが、これらを調べて系譜に挙げるのは簡単だ。しかし、これが判ったところで、どのように進化し分化していったのかを説明できなければ系譜はまったく意味のないものになってしまう。具体的に言えば、1920年代のエレメカから1930年代にはどのように繋がったのか、ということを記さなければならないのだ。なぜなら現代のビデオゲームで利用されている光線銃はエレメカとは構造が違うためだ。

それにペニーアーケードと言われるところにRay O' Lite Rifleは配給されたのだろうか、という疑問も上がる。つまり商用で遊ぶほどの完成度で、実際にコインオペレートだったのか、そこまで詰めなければ所謂アーケードゲームとは呼べないのだ。それはSpace War!の流れで説明しているGalaxy Gameと同じ意味となる。

そういうこともあるので系譜を作成するためにはいきなり年代が飛んだものを簡単に繋いではいけない。最近のゲームで言えば究極タイガーからいきなり雷電に繋いではいけない。その5年の間にどんなゲームが発売されていったのか、これがないと上辺だけの進化を辿ることになってしまう。それを調べた上で初めて系譜は簡略化が意味を持つ。

そういうわけで調査は遅れに遅れ、現在600タイトルしか系譜には網羅できていない。エレメカに関しては今は1940年代後半まで来たが、ビデオゲームが盛んになる1970年代までには、あと残りの約30年を埋めていかなければいけないのだが、いかんせん知識が足りなくて難航している。