Wikipedia執筆は難しい

以前は何か情報を提供できれば、とか思っていましたが、ゲーム系コンテンツを見ていると結構もめたりしていますね。記述内容も単なる「まとめサイト」のような出来になっている印象を受けます。

一番違和感を感じたのは、Wikipediaには「知っていることを書く」のではなく、「知らされたことを書く」というのが大前提であることを理解できていない方が多いことです。「私は知っている」「当時はそうだった」と話を展開してみても、それを証明することができなければWikipediaにとっては価値のない情報です。本来ならそれを裏付ける史料などを調査し、文献として挙げなければいけません。

例えば、スペースインベーダー(最終更新 2009年7月27日 (月) 07:42)の項目から例を挙げると、

なお開発時、西角はキャラクターをデザインするために、ブラウン管をペン状のデバイスライトペン)で直接描画する機械を発明した[要出典]。これが実は世界で最初の今日使われているコンピューター用ペンデバイスであった

実は1978年以前の文献を当たるとライトペンバイスを使った将棋のゲームが紹介されているものを見つけることができます。ですからこれは嘘の記述です。また、電動リフトについても本文にクエスチョンマークがあったり、「パワーゲート」へのリンクが張られていることから判るように、「日本初であるのか」すら怪しいです。また逆に、消されてしまったけれど、実際に文献を当たれば言及されているものもあります。

Wikipediaは注目度が高いだけ、役に立つ情報を執筆したいと思う人も多いでしょうが、だからこそ、編集においてそういう難しい部分が目立ってしまっているような気がします。いいものを執筆するというのは難しいですね。そういうわけでWikipedia執筆をやってみようという考えは今ではすっかりなくなりました。年単位の時間を使って文献を探し出しても、文献を探す努力をしない人と揉める可能性が高いのではまったく割りにあいませんしね。